女性たちひとりひとりの人生に小さなひかり星のきらめき
昨夜読んだ本の紹介です。
「星がひとつほしいとの祈り」
Pray for a star Maha Harada 実業の日本社文庫
原田マハさんの短編集
椿姫
夜明けまで
星がひとつほしいとの祈り
寄り道
斉唱
長良川
沈下橋
7編が収録されている。
それぞれの世代の女性たちが、生きてきた物語。
どんなに困難な時代であれ、境遇であれ人には希望がある。
今の自分を肯定し受け入れることから又歩き出せると。
「椿姫」は、グラフィックデザイナーを目指し上京してきた女性芹沢香澄。
彼女が、路地裏の産婦人科医院を訪れる所から始まる物語。
理想と今の現実に色を無くした彼女の目に映る真っ赤な椿。
そして、診察室の前に居た少年、その言葉に・・・
「夜明けまで」
大女優を母に持つ堂本あかり、父のことも母の過去も何も知らない彼女。 今は母を避けセネガルで働く。
そんな彼女に、母の死の知らせが届く。
残されたのは一枚のディスク、「あたしの骨をひとかけらだけ夜明けまで、連れて帰ってほしい」遺言だった。
「夜明け」駅に降り立ったあかりは・・・
知らなかった母の過去を知ることになる。
あかりの命、そして自分の運命を・・・母は諦めなかった。
「星がひとつほしいとの祈り」
大手広告代理店で働く文香、不倫旅行を楽しむつもりが思うようにならず、一人気まぐれに訪れた道後温泉。
ホテルで頼んだマッサージ師・老婆の過去を聴くことになる。
それは、ちょっと不思議で悲しく切ないけれど温かなものがこころに残る。
「寄り道」
ハグこと波口善美とナガラこと長良妙子の、旅好きコンビ。
今回は白神山地、そのツアーで知り合った黒スーツにヒールの中村奈々子、彼女の事情が明らかになる寄り道の時間・・・
「斉唱」
梓が一人で大事に育ててきた娘、14歳の唯。
いつのころからか彼女は壊れかけていた。
そんな娘が、体験学習で佐渡島のトキをみたいと言った。
二人は一泊二日の旅に。
島の暮らし、トキを愛した人達のお話・・
唯の心が動き出す、梓の気持も溶けてゆく・・・
「長良川」
挙式を目前にした娘・麻紀とその婚約者・章吾と三人で訪れたのは、岐阜だった。
半年前に亡くした夫と、新婚旅行で訪れた場所。
夫の命の期限を知って、再度訪れた場所でもあった。
甦る幸せな記憶、懐かしい風景と共に。
切なさと幸せな記憶・・・
今も幸せな自分なのだと気付く。
母の想いが、心情が、こころに深く迫る物語。
「沈下橋」
四万十川のほとりで、ひとり暮らす多恵、村の食堂で働いている。
そんな彼女に思いがけない再会が・・・
かって由愛という娘の義母として暮らした時期があった。
今は人気歌手となった由愛、彼女に薬物疑惑で逮捕状が出たことを知る。
もう会うこともないと思っていた彼女から、助けを求める電話が・・・
多恵はどう彼女と接するのだろう・・・
今日はルナ姫
に登場お願いした。
「写真、いっぱい載せてくれてうれしいワン!」

最近のコメント