« 2008年6月 | トップページ | 2008年8月 »
天翔ける言葉は永遠にちりばめた宇宙の蒼なり賢治の世界
宮沢賢治・花と言葉の詩画集5 画(押し花)若林佳子
蒸し暑くて、不快指数もうなぎのぼり、やかましい蝉の声が聞こえくる、そんな時、開いてみる一冊の本、詩画集がある。賢治の世界に心遊ばせるひと時。
若林佳子さんの押し花がこころを柔らかくしてくれる。
蒼白く不思議な世界へどうぞ。
「わたくしどもは」
わたくしどもは
ちゃぅど一年いっしょに暮しました
その女はやさしく蒼白く
その眼はいつでも何かわたくしのわからない夢を見てゐるようでした
いっしょになったその夏のある朝
わたくしは町はづれの橋で
村の娘が持って来た花があまり美しかったので
二十銭だけ買ってうちに帰りましたら
妻は空いてゐた金魚の壺にさして
店に並べて居りました
夕方帰って来ましたら
妻はわたしの顔を見てふしぎな笑ひやうをしました
見ると食卓にはいろいろな菓物や
白い洋皿などまで並べてありますので
どうしたのかとたづねましたら
あの花が今日ひるの間にちゃぅど二円に売れたといふのです
……その青い夜の風や星、
すだれや魂を送る火や・・・・・・・
そしてその冬
妻は何の苦しみといふのでもなく
萎れるように崩れるように一日病んで没くなりました
不思議な感じ、幽玄の世界ですね。
賢治は生涯独身でした、37歳で逝くまで。
この詩に登場する青白く妖精のような女性は、賢治の永遠の憧れだったのでしょうか。
・・・・その青い夜の風や星、
すだれや魂を送る火や・・・・・
賢治は今も銀河鉄道に乗り、宇宙を旅しているのでしょうか。
蒼い世界のやさしい女性と一緒に・・・・・。
先日ルナを連れて行った河原。
水は透明で川底の石ころがくっきり見えた。小魚が泳いでいるのも見えた。
岸部の石になにやら紅い卵?、いっぱい石にくっついていた。何だろう?
鮮やかなピンク色をしている。不気味?
周りを観察すると、大きなタニシが、ごろごろ。そうタニシの卵なのだ。
こんな大きなタニシ、昔は存在しなかった。外国から入ってきたという。
わたしは、初めて目にしてびっくり!
ちょっと調べてみました。
「スクミリンゴガイ」という巻貝の一種。
俗称ジャンボタニシとして有名。殻高は80mm。赤い卵を産む外来種・南米原産。
1980年代台湾から、食用として持ち込まれたが、販路が拡大できずに放置された結果、野生化しどんどん増えている。
今では稲を荒らし、水中の生態系にも影響を及ぼす有害生物として、問題になっている。
確かに、この赤い卵がいっぱいの岸壁は、気持悪い。
その生命力の強さを感じると不気味でもある。
ギラギラの太陽の下キラキラの小さな命輝く季節
青い空と白い雲、まぶしすぎる太陽、夏本番。
熱い、暑い、河原に「ちょっとだけよ」、とルナを連れていった。
白鷺が、涼しげな姿で数羽、佇んでいた。ルナに気付いて川下に移動(写真の奥の方に白い点のように見えるのが、白鷺です)白鷺さん脅かしてゴメン。
何もかも、キラキラして、生命力にあふれる。わたしにはまぶし過ぎるけれど。
雨が降らないので、水位が低い。ルナは、ボールを追いかけて、低い所を、バシャバシャ走ってご機嫌。ボールを投げろと何度でも催促する。
でも、真中あたりは、深いです。ボールを銜えて、犬かき、犬かき、かなり上手になったルナ。早い、早い。
水と戯れ、生き生きと、いつまでもここで遊んでいたいルナでした。
「もう、帰ろう。暑い!」「いやだワン!まだ泳ぐワン!」
そして、無理やり連れて帰られたルナでした。
「ふ~疲れた~」
帰ってきたら、ごろん、すぐに爆睡。
みどり濃き自然の匂い鳥の声なつかしい家こころの風景
道の向こうには、古い民家が一軒だけ残されている。
住む人はもういないが、ちゃんと管理され保存されているようだ。
懐かしい日本の原風景に出会う道。
池の水は、増水して深い緑色に染まっていた。
水面は、夏の陽ざしにきらきらゆれて静かだ。
ルナは水を見ると泳ぎたいみたいだが、こんなに深くては無理だ。
諦めきれないルナでした。
夜になると、猪が水浴び(泥浴び)するという場所、かなり大きな水たまりができている。
猪は、家族連れでここに現れ、水浴びをするのかしら。
想像すると、微笑ましい。
ルナは、クンクンしていた。猪の匂いがするの?恐いよ。
猪は昼間は出てこないから大丈夫。
ずいぶんと逞しくなったルナでした。
最近のコメント